【宮商連】"中小企業は社会の主役!" 住民・行政・中小企業の協働による町づくりを
平成22年6月に政府で閣議決定された「中小企業憲章」の前文には、「中小企業は経済を牽引する力であり、社会の主役である」と明記されています。
この考え方を地域経済の活性化に結び付ける手立てとして、いま全国各地で自治体に「中小企業振興基本条例」の制定を求める運動が重要視されています〔民商・全商連の要求でもあります〕。
今月13日、宮崎県中小企業家同友会が主催する「県民の英知と協働で地域の未来をひらこう」と題した条例の学習会が宮崎市で開かれました(県内民商から6名が参加)。
宮崎大学の根岸裕孝教授は「地方自治体がどのような地域社会づくりをめざすのかが重要」と条例制定の意義を説明され、「できちゃった条例ではダメであるし、制定までのプロセスが大事です」と、住民・行政・中小企業が一体となった取り組みの重要性を強調されました。
他県の先進的な事例に学ぼうと、千葉県より県職員(商工労働部)の高橋輝子氏と同県同友会(政策委員長)の細矢 孝氏が招かれていました。
高橋氏は策定プロセス(右ページ図)の特徴について、「県職員や経営者など地域ぐるみで自主的な勉強会を積み重ね(42回・900名)、その後には学識経験者も交えた研究会で中小企業の抱える課題や方向性を深く論議し合い、条例の骨子案も研究会で練り上げてきました」と説明。
細矢氏は、「本県の条例(17条)には、『知事は施策の実施状況について中小企業者その他の関係者の意見を聴くものとする』と明記されています。条例に基づいて県は中小企業者の声を聞かざるを得ず、非常に意義深い条例であると言えます」と条例のメリットを紹介されました。
また、「自分たちの町にどのような資源があるのかと地元産業の分析が大事です。その産業活性化のためにどのような企業施策が必要なのか、この点を関連させた考え方が重要です。自分の子供たちが『本当にこの町に住んでいて良かった』と思える町づくりを進められるか。この問題を考える際に同友会や商工会といった枠組みはどうでもいいんです」と、改めて地域ぐるみの取り組みを強調されました。
今回の学習会には県内各地方から自治体職員や議員、商工会や商工関連団体、中小企業など幅広い層から参加者が集まりました。
前号でもお知らせしたように、宮崎県は来年4月の条例制定をめざして作業を進めていますが、今回の参加者を軸に本県でも研究会を発足して検討を重ねるなど、プロセスを見直してみる必要性を強く感じたところでした〔Ko〕。