【日南民商】けんちゃんのおじゃまします No12
今回は、南郷町目井津港で「ミヤザキ計器サービス」を営まれている河野喜久男さんの事務所をおじゃましました。
ところで、どんなお仕事です?
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漁船のソナーやレーダーとか、計器類の修理、販売の仕事だよ。
高校を出ると大阪の鉄工所に就職したが、親の面倒をみることになり、4年で南郷へ戻ってきた。3カ月ほど「走るスーパー」という移動販売の商売をした後、「面白そう」と船の電気関係の会社へ惹かれて就職。ちょうど自動操舵がはやった頃だったな。
機械いじりは工業高校で学んだが、電気はさっぱり。テスターの使い方を覚えるのに2週間もかかったよ。人に聞くのが恥ずかしくて、先輩を見て必至に覚えた。
機械が電気に変わったが、理論や原理は同じ。機械のことが分かるという経験が結構役に立ったね。
昔の魚群探知は、船の下の魚の群れを捜していたが、今のは遠くまで捜せる。
鳥を捜すレーダーもある。小魚を追う鳥を見つけると、カツオの群れにたどり着くってわけ。
やりがい?
漁船が港に戻り「ありがとうなー」とお礼を言われる時の嬉しさかな。
修理した船が漁に出てしばらくは、「あそこが悪かったちゃねぇか? 大丈夫か?」と心配は尽きんもんな。仕事が趣味みたいなもんで、船がいない暇な時も何とかしてるよ。
転機は勤めて28年後。「南郷の店を閉める。転勤してくれ」と本社から言われた。
日南を離れたくもないし、信頼してくれるお客さんもいる。
結果、そのまま店舗を引き継いで、平成17年に独立したんだ。仕事は変われんけど、事業をすれば確定申告も必要だからね。
民商に入って習ったんだよ。
3年前に病気して、大きな手術をした。それから健康がすぐれず、一時は「事業やめようか」と考えたりもした。
しばらくは、1日仕事したら3日熱が出て休業。なんとかしたくて食事療法を学び、好きな甘い物も我慢して徹底的に食生活を変えた。病院は食事まで面倒見んからね。
商売を息子に継がせたかったが、いま仕事が無い。
でもこの日南では自分にしか出来ない技術もあって、後継者育成が気になってる。この仕事も少なくなってきたし、まあ体調と相談しながらやっていくよ。
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電子部品が台頭していますが、「結局は人の手がいる」という職人気質の河野さん。
船舶の話を分かり易く、漁の様子もまぶたに浮かびました。
お身体を大切に頑張ってください。