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【日南民商】けんちゃんのおじゃまします!阪元工業さん

今回は南郷町の栄松漁港前で、船の油圧機器調整や溶接・修理など鉄工業をされている阪元工業(阪元隆明)さんの工場を訪ねました。


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18から鐵工所に勤めているから、この仕事一筋になるな。

 カツオ船やマグロ船の仕事がほとんど。頼まれれば修理、整備何でもこなす。配管修理では実際に船に乗って、型取りし、フランジ(継手)を作り替えたりする。船内で溶接することも多いな。

カツオ船が12月~3月、マグロ船は7月~9月に毎年港にもどってくるから定期的に仕事が出て助かる。けど、だいぶ漁船が減ったよ。

 独立のきっかけは勤め先の経営が厳しくなったため。一緒に勤めていた近藤君、ほら前会長の。彼と「2人ですっかい」となったわけよ。20年勤め、やっと「自分でできる」と自信がついた。

2人で会社を興し、仕事も夜遅くまでした。陸の仕事も始め、ごみを燃やす清掃センターってあるやろ? そのメンテナンスで油圧シリンダーのオーバーホールや溶接をするんだが、あの仕事は熱くて、体力仕事なんじゃわ。

結局体を壊し、彼に迷惑かけることになったんで、会社を離れ独り立ちした。 

彼とは今も付き合いすっちゃど。近所やし同業じゃかいな。

 船の仕事でミスは命取り。海で船が止まれば生命にも、水揚げにも関わる。「あそこには頼まんがいいぞ」と噂が立てば、小さな港町、もうダメやな。

丁寧な仕事と二重三重の点検は欠かさん。それでも船が出て何日かは怖じーど。

意識しているのは仕上げの出来映え。

やっぱ雑はダメよ。

次に頼みたくないもんな。

船主さんから「いい仕事してるね」と言われるとやっぱ嬉しい。

手間ヒマかけてでも良い品を提供したい。うん、職人気質じゃな。道具は目をつぶっても取れるようピシャーして、作業も掃除しながらせんと好かん性格やな。

親父がカツオ漁師じゃったから後継ぎで漁師になろうと、水産高校を出て、漁にも出た。

どうしても船酔いがひどくて諦めたけどな。先は、親父の小さな船を譲り受けてな、釣りして暮らすと決めちょる。近場で釣りして、仕事が出たら仕事して、あとは年金でなんとかなるやろ。

海は好きやな。(目の前が海の)ここで育ったからな-。

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