【日南民商】大震災から3年 県南で再生エネルギーの芽生え
東日本大震災から3度目の3.11を迎えました。
3年前のこの惨事は、私たちが日南税務署で集団申告する最中の出来事でした。
2万人を超える死者・行方不明者の皆さんへあらためてご冥福を申し上げ、今なお避難されている27万人の方々にお見舞い申し上げます。
あの日を境に、人々の"ものの見方・考え方"、価値観が変わり、家族の絆や自然への畏敬の念を呼び起こしました。
メルトダウンとともに溶解したはずの原発の安全神話が、原発の海外輸出、「重要なベース電源」、再稼動の動きを通じて巧みに再構築されようとしています。しかし、少なくない国民はそれを冷ややかに見ながら、新たな挑戦を始めています。
いま、王子製紙の子会社が日南工場内に間伐材・木くずなどを燃料とする国内最大級25メガワットのバイオマス発電所を建設中です。日南市、串間市、清武町の世帯数に匹敵する4万戸の一般家庭の電力供給ができる発電量だといいます。地域林業の活性化の期待を集め、1年後の2015年3月からの運用をめざします。ただ、木質燃料と石炭を8対2で混焼するといいますから、焼却灰の処分や二酸化炭素の排出による環境への影響は避けられそうにありません。
また、九州電力と九電工の共同出資会社が、串間市に27基60メガワットクラスの風力発電所を建設する計画を明らかにしています。思惑はどうあれ多くの人々が家庭用ソーラー発電や中小の太陽光発電に投資を始め、地域経済に活力をもたらしつつあります。
こうした新しい流れに全く疑問を抱かない訳ではありませんが、200万人ともいわれる東北の人々の犠牲が今日の再生可能エネルギー普及の源となっていると信じ、その行方を注意深く見守りたいと思います。
(さ)